1引用:http://kozaweb.jp/event/detail.html?&sp=true&id=1478

アカデミー賞3部門を受賞するなど、2013年度の映画賞を総なめにした「ダラスバイヤーズクラブ」

実話を元にしたストーリーで、マシューマコノヒー演じるロンの7年間にスポットを当てたドラマです。

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あらすじ、ネタバレ

舞台は1985年、アメリカのテキサス州ダラス。

電気技師として働くロン・ウッドルーフ(マシューマコノヒー)
かつてはロデオに乗るカウボーイだったが、今ではすっかり女とドラッグにおぼれる生活。
仲間とロデオで賭け事に興じる、怠惰な生活を送っていました。

そんなある日、職場で事故に合い、病院で診察を受けたロン。
そこで、診察をした医師のセヴァード博士(デニス・オヘア)、女性医師イブ・サックス博士(ジェニファー・ガーナー)から、HIVに感染していて余命30日であることを告げられます。

1980年代にはHIVに関する偏見も多く、”ゲイが感染する病気”という認識が一般的でした。

そのため、無類の女好きであるロンは「自分がHIVに感染するはずがない!誤診だ!」と怒り、病院を後にします。
しかし、体調の悪化から異変を感じ、図書館でHIVについて調べるロン。

すると、HIVは避妊を伴わない性交渉でも感染することを知ります。
そして、脳裏には、その疑いのある女性とかつて性交渉をしたことがよぎり、絶望します。

友人や同僚にはHIVに感染したことが知られ、「おまえがゲイだったとはな」とひどい差別を受けます。

そんな絶望的な状況の中、ロンはなんとか生き延びてやろうと、HIVについて情報を集めます。
その中で、”AZT”という新薬が有効であると知ります。

ロンは余命30日と診断した女性医師イブの元を訪れ、AZTを処方してくれと頼みます。
しかし、AZTは治験薬でまだ一般に処方できないと言われてしまいます。

イブは、副作用があり効果の持続にも疑問の残るAZTについて懐疑的でしたが、病院ではセヴァード博士の指示のもと、治験が行われていました。

ロンは病院の清掃員である黒人男性を買収し、AZTの横流しを受けます。
AZTを服用し、余命30日を何とか乗り切るロン。

しかし、横流しも限界があり、薬をもらえなくなったロンはメキシコの無免許医を頼り、治療を受けます。

そこで、AZTではなくddCやペプチドTという、”毒性のない薬”(映画ではたびたびこのように言われています)で、回復をしたロン。
無免許医から、AZTの危険性を聞かされます。

しかし、アメリカではこれらの薬は許可されておらず、HIV患者はAZTの認可を心待ちにしています。
テキサスでもHIVの感染が拡大している現状を知ったロンは、薬を密輸して販売することを思いつきます。

病院で知り合った、トランスジェンダーでAZTの治験者のレイヨン(ジャレット・レト)とタッグを組み、薬の販売を始めたロン。
たちまち客が集まり、会費を払うかわりに薬を受け取れる会員組織”ダラス・バイヤーズクラブ”を立ち上げます。

商売は順調でしたが、その分、国に目を付けられるようになったロン。
薬に認可を与える機関”FDA”から摘発されてしまいます。

その後、FDAを相手に訴訟を起こしますが、ロンは敗訴。
しかし、裁判ではFDAが薬を認可しないことについても、裁判長は厳しく言及したのでした。

肩を落として帰ったロンを、クラブの会員や女医のイブは温かく拍手で迎えます。

その後、訴訟の影響もあり、FDAはロンが販売していた薬を認可します。

ロンは余命宣告を受けた7年後、HIVで静かに息を引き取ったのでした。

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感想

先入観や事前情報を一切なしで見たので、最後に実際にあった話と知った時には鳥肌が立ちました。

ロンが行ったことは違法で、罰せられる出来事です。
さらに女やドラッグにおぼれるロンには、感情移入しにくい人も多いかと思います。

ただ、そのロンが病気と向き合うことで大胆に行動を変化させ、
心も少しずつ変化していくのは考えさせられました。

そういった瞬間がちりばめられていて、見つけた時には”あっ”と嬉しく感じます。

それが一番わかりやすいシーンは、ロンがレイヨンと一緒にスーパーで買い出しをしている時に、かつての同僚と出会うシーン。
あんなに”ゲイ嫌い”を公言していたロンがレイヨンと一緒にいるのを見て、差別的な言動をしてきた同僚に、ロンは「レイヨンと握手をしろ!」と暴力をふるいます。

これをきっかけに、レイヨンもロンのことを信頼するように。

どうしようもない人間のロンが、いとしく思える瞬間です。

終盤で、ドラッグにおぼれたレイヨンは亡くなってしまいます。
レイヨンは最後まで美しく着飾ろうとし、”わたしができるのはこれくらいなの”とつぶやくシーンがあります。

このシーンはとても切なかった…。
レイヨンには恋人がいるのですが、ロンに対する気持ちが漏れでているのではと思います。

ロンを演じるマシューマコノヒーは、この映画のために体重を21キロ減量!
服を脱ぐシーンも多いのですが、お腹や足がガリガリで、思わず映画ということを忘れる迫真の演技です。

さらに、レイヨンを演じるジャレット・レトも素晴らしい。
オネェを全く違和感なく演じています。

この二人がアカデミー賞で主演男優賞と助演男優賞を獲得!
メイク・ヘアスタイリング賞を合わせて3部門を獲得しています。すごいですね。
2

あとは、女医のイブがいることで医療業界のジレンマが表現されていて、物語が深みを増していると思います。
演じたジェニファー・ガーナーが、悩みながらも真剣に患者に向き合う女医を、魅力的に演じています。

ちなみに、作中で何度も名前が出てくるのですっかり覚えてしまったAZT。
薬は実在し、1987年に世界初の抗HIV薬として、アメリカで認可されたそうです。

世界初ということで、実際に製薬会社はかなり儲けたのでしょうね。
その後、現在では様々な会社がHIV薬を開発し、より精度の高い薬が出来上がっています。

この映画を見ることで、そのような進歩の陰にロンのような人物がいたことを知れてよかったと思いました。

おススメ度:★★★★☆

ザ・ハリウッド映画という感動はないのですが、ロンを主軸にそれぞれの心理が交差して、見終わった後に考えさせられる作品です。

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